法律学概説 (畑 浩人 講師) 2013年現在

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出版社の回し者ではないですが
推薦本をいくつか提示します。
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畑先生が担当されている教育学部の授業のなかで一押しのものは何ですか?

できれば全部お薦めしたいのですが、強いて言えば法律学概説ですね。社会科と公民科の免許取得上の選択必修科目です。また、教養的教育で日本国憲法もやっていますよ。これは免許上の必修科目で他学部の先生方もやっていますが、僕のが一番難しいそうです。

 

具体的にどのようなことをなさっているのですか?

法律学は概説科目なので、いろいろな法分野から毎回一件ずつテキストの具体的な判決を読んできてもらって、そこから各法制度の基本的な仕組みや考え方と運用のコツも含めて総合的に理解してもらうようにしています。例えば一件目は衆議院の選挙区割の違憲宣言判決。大学で学修する事件の真相と高校までの要約的理解とではかなり肉迫度が異なるので、受講生のみなさんはついてくるのが大変みたいです。不思議の国のアリスならぬ、日本法のワンダーランドに学生さんを誘いこむような感じです。でも大半の方々はお化け屋敷だと勘違いして単位を取ったら飛び出していきます。ゆっくりしていけばよいのに・・・。

 

この授業で学生にどのような力を付けて欲しいですか?

文科省が単位の「質の保証」をしろというのでレポートを2回ほど課しています。それにより他人の意見を尊重して引用の作法を守りつつ、かつ、事実と論理に基づいて自分の意見も言えるようになってくれれば、社会人としても合格です。新聞記事や判決文から自分の知らないことを知り、不明な点は文献資料で調べて、事実は小説よりも奇なりという発見の驚きを試験でも表現してもらえれば文句なしの合格です。

 

教員になろうとしている学生にどのような力を付けて欲しいですか?

常識だけでは社会秩序が成り立たないから法律のルールを作って補強しているのですが、そのルールも同じ常識を基盤にしながら発展して行きます。そのような社会と裁判のせめぎ合い、そして政府(立法、行政)との相互作用を構造的に把握したり想像したりできるような論理的な認識枠組を修得してほしいです。

とくに現代社会や政治・経済の授業において法教育を行う上での背景知識が最低限必要になってきています。でも、学生さんたちは、すぐに使えるハウツー的な正解を必要としているので、小中高のテキストに書いてある通り教えて欲しいみたいです。しかし、それでは大学に来る意味がありません。憲法学が教職科目の必修にされているのも、社会に多様な見解が存在しているのを理解したうえで、しかもそれを抑圧せずに主流派の意見と調整させる知恵を誰もがもってほしいという趣旨からです。裁判をそのような紛争解決に役立てたり、社会認識の視野を広げたりできる専門的な内容を知っていただけるでしょう。

 

高校生に向けてメッセージをお願いします。

合格した暁には、里山の豊富な安芸西条盆地に引っ越してこられる方が多いので、郷土の世界観もよく勉強した上で、大学構内や周辺でも活用していってほしいです。里山を持つ集落ごとに独自の世界観があるからです。ちょっと地歴部寄りかもしれませんね。

公民的な観点からは、新聞記事の社会面や政治面を御覧になって日夜見聞を深めていただきたいです。また、社説面には政府の政策に対する賛否両論が書いてありますから、それを読んでさらに自分の意見も持てるように考察する習慣をつけておくと、複雑な大学の授業内容にも慣れてきやすいのではないかと思います。

ちなみに、僕からのお薦め本ですが、漫画ですみませんけれども、毛利甚八作・魚戸おさむ画の『家栽の人』全15巻(小学館1988-96年)です。家庭裁判所の少年審判を通じて若者を裁つのでなく、草花や樹木を育てるように長期的な視野で「栽」培するというのがテーマです。教育と裁判の接点を世界一うまく表現した傑作です。

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